若い人にも寝たきりになる?骨折や手術後の廃用症候群について

介入事例

先日「廃用症候群」について解説しましたが、今回は当店で担当した事例を交えて紹介します。

高齢者が手術や病気の治療の後に廃用症候群となる場合が多いです。しかし、若い方でも起こってしまうとされています。インフルエンザやコロナウイルス感染後に体力が低下してふらついてしまったり、満足に歩けないことを経験した方も多いのではないでしょうか?廃用症候群の治療としてはもちろんのこと、廃用症候群の予防としてもリハビリテーションは欠かせません。今回は廃用症候群の主な症状、そしてリハビリテーションとの関連性及び重要性について分かりやすく解説します。

廃用症候群の症状

ここでは代表的なものをいくつか紹介いたします。

  • 筋萎縮 :筋肉がやせおとろえて力がなくなる
  • 関節拘縮:関節が硬くなり動きが悪くなる
  • 骨萎縮 :骨がもろくなる
  • 心機能低下 :心拍出量が低下する
  • 起立性低血圧:急に立ち上がると血圧が下がりふらつく
  • うつ状態  :精神的に落ち込む などが挙げられます。

 参考:酒井医療機器HP:高齢者の身体機能低下とそのリハビリテーション (3)廃用症候群

廃用症候群の進行

廃用症候群の進行は速く、高齢者はその現象が顕著に現れます。

一週間寝たままの状態を続いてしまうと、約10~15%程度の筋力低下がみられるともいわれています。回復にかかる時間は寝たきりだった期間の倍の時間がかかると言われる程です。

alt=”廃用症候群の悪循環“

リハビリ介入事例

ここからは当店でリハビリを担当した方の介入についてお話ししていきます。大学病院にて側弯症の外科的手術を受けその後、自宅療養していた方のリハビリ事例をご紹介します。

側弯症の外科的手術後のリハビリ介入事例

20歳代女性、側弯症の手術を行う前から背中や肩の痛みが強くなり、2024年春、大学病院にて側弯症の外科的手術を行いました。手術は成功しましたが、術後の激しい痛みから思うように体を動かすことが出来ず、精神的にも落ち込み、思うようにリハビリが進んでいませんでした。大学病院には約1ヶ月間入院し、筋力低下・関節可動域制限が進行した状態で自宅退院となりました。担当医から退院後は近隣の整形外科に通院しリハビリを継続するように説明がありましたが、屋内の移動・階段の移動が安全に行えず、家から出ることが困難な状況でした。通院してリハビリを受けることが困難な状況であるため、リハビリについては当店への依頼がありました。

<病院退院時の状態>

筋力(MMT下肢3、上肢3、コルセット着用のため体幹はMMT測定不能)

関節可動域:両肩関節屈曲・股関節伸展・足関節底屈に制限あり

認知機能:正常

痛みの程度:VAS(Visual analog scale) 7

基本動作

 ・寝返り・起き上がり:自立

移動

・歩行:屋内T字杖または伝い歩きで足を引き摺りながら15m見守り

・階段:膝折れがあるため介助が必要

日常生活動作

・移動場面を除いて自立レベル

お客様の悩み・目標

・歩くことへの恐怖心がある。バランスを崩して転倒してしまうのではという不安。

・今後は自由にある事とができて、家族に迷惑をかけないこと、転ぶことなく家の中を歩きたい。

・1ヶ月後の受診に不安なく行ける。

・普通の生活を送れるようになりたい。

という切実なお悩み・目標でした。

詳細

介入頻度:週2回 1回60分

医師からの指示として術後3ヶ月間はコルセットを着用の指示の範囲内でリハビリを進めました。

介入当初

大学病院を退院した直後は、術後の痛みの影響で1日の大半を横になって過ごしていたため、筋力低下が著名で自分の体を支えるのもやっとの状態でした。側弯症の影響により両側肩関節の動きが制限されていましたが、術後の安静によって両股関節・足関節の関節可動域制限が著名でした。股関節・足関節の動きが制限されていたことで、歩幅が非常に狭く足を引き摺りながら歩かれていました。まずは、安静によって硬くなってしまった関節のストレッチとマット上での手足(四肢)の筋力トレーニングを中心に行いました。週2回のご利用でしたが、それ以外の日はご自身での自主トレーニングをお伝えしました。

alt=”廃用症候群のリハビリ“

ご利用から2週間

退院後、直後に目立っていた股関節・足関節の硬さはすぐに軽減し、下肢の筋力も向上(MMT3→4)へ向上しました。筋力・関節可動域が向上してことで、家の中の移動は杖を使用せず、自立レベルとなりました。ただし、片足立ちや階段の昇降では手すりを使用しないと不安な状況でした。

ご利用から1ヶ月

コルセット着用期間でしたので、四肢の関節可動域の向上と筋力強化練習を継続的に行いました。受診までに8回のリハビリを受けられて、屋内歩行は自立、屋外歩行は30分程度、距離としては休み休みではありますが1kmの距離を移動できるまでに上達しました。大学病院後、初めての術後の受診を迎えることになりました。リハビリを担当していた私としては、無事に通院できるかなとやや不安な気持ちもありましたが、病院受診も問題なく通院でき、「カフェに寄ることもできた」とのことでした。体の動きや痛みで悩みが絶えなかったそうですが、最近の目標は大好きなアパレルショップで働きたいという具体的な希望も聞かれるようになりました。歩くこともままならない時期からリハビリを担当していましたので、20代女の子らしい生活に戻れたのは自分のことのように嬉しい瞬間でした。

alt=”カフェ コーヒー”

※リハビリの結果には個人差があり、結果を保証するものではありません。

まとめ

高齢者に限らず、病気や怪我で一時的に体力や筋力が落ちてしまうことがあります。その期間が長いほど、日常生活や身体面・精神面への影響も大きいものです。当店ではご自宅までスタッフが出張訪問します。通院が難しくなった方や様々な理由で外出ができない・外出が面倒と感じている方にピッタリのサービスです。リハビリテーション病院や施設で長年リハビリの経験があるスタッフが対応しますので安心してご利用いただけます。年齢・疾患を問わず術後の体力や肺炎後の寝たきりで体力や筋力が低下した方は、是非とも当店へご相談ください。私がしっかりサポートいたします。

TEL:080−3366−8199

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