脳卒中(脳梗塞・脳出血)について

記事

こんにちは!訪問自費リハビリの庭野です。

今回は脳卒中(脳梗塞・脳出血等)についてお話ししていきます!

脳梗塞

脳の血管が詰まったり、狭まるといったことが原因で脳への血流が悪くなり起こる疾患が脳梗塞です。

また、脳の血管が詰まるというのは主に2つのパターンが考えられます。

脳梗塞のパターン

1.動脈硬化が進み血管が狭くなることが原因の脳梗塞

動脈硬化が進み血管が狭くなることが原因でおきる脳梗塞です。

その中で、首や脳の中の比較的太い動脈で起きる「アテローム血栓性脳梗塞」、脳の細い血管が詰まることで起きる「ラクナ梗塞」に分類することができます。

2. 心臓の中に生じた血のかたまり(血栓)が脳の血管に詰まる脳梗塞

不整脈などが原因で心臓の中に生じた血栓が脳の血管へ流れていき、詰まってしまう「心原性脳塞栓症」です。

この2つ以外にも、一時的に脳の血管が詰まるものの間もなく血流が再開したとされる一過性脳虚血発作もあります(この病気は脳梗塞の前兆ともされています)。

脳梗塞の症状

症状に関しては、いずれのパターンであっても、視野が欠ける、顔が麻痺して口から水がこぼれる、舌が麻痺して呂律がまわらない、体の片側の手足が麻痺する、感覚がなくなる、眼が二重にみえるといったことがみられます。これらの症状などから脳梗塞が疑われた場合、検査となります。

検査・診断

診断する方法としては脳MRIを用いるほか、心電図や血液検査も行います。

脳梗塞の治療

現在脳梗塞は、超急性期治療といって、発症後数時間以内であれば血栓を除去する治療法が確立しています。

また、脳梗塞を発症した後は再発を防ぐ目的で、適切な内服薬を選択するために通院加療を継続していただきます。

 

脳出血

脳出血とは、脳を貫いて走る非常に細い血管(穿通枝)が破綻して出血し、出血に巻き込まれた神経細胞が障害される病気です。原因の多くは高血圧で、高血圧性脳出血は、高血圧症や動脈硬化が起こる、50~60歳代に好発します。高血圧の状態が続くと、穿通枝などの細い血管にストレスがかかり、動脈硬化が進行します。もろくなったり微小な動脈瘤を形成したりして、血圧の変動に耐えられなくなった血管が、血圧が上昇した際に破れて出血すると考えられています。

脳出血の症状

出血を生じた場所や大きさによって症状は異なってきますが、手足の脱力(運動麻痺)や言葉がしゃべりにくい・理解できない(失語)、呂律が回らない(構語障害)、半身の感覚が鈍い(感覚障害)などが主で、重症の場合には呼んでも目を開けられない(意識障害)、意識がなくて呼吸が不整で浅い(脳幹の呼吸中枢の障害)などの症状があり、命が失われることもあります。発症様式としては突然に発症するのが特徴です。また、回復後も後遺症に重症な症状を残すことが少なくありません。

検査・診断

脳出血が疑われる場合は、頭部MRA(脳の血管をみる検査)、MRI、脳血管造影などの検査を行うことで、診断をつけます。

脳出血の危険因子

高血圧、喫煙、アルコールの飲み過ぎ、高齢、男性、血清総コレステロール低値などが科学的に確認されています。単に高血圧のみではなく、危険因子の重複によって出血の危険性が非常に高くなります。

最大の危険因子である高血圧の薬物管理の発達により、近年は低下していますが現在でも脳卒中全体として、日本の3大死因の一つであり、依然として重要な疾患には変わりありません。

くも膜下出血

脳の血管は、くも膜という膜の下を通ります。この血管に動脈瘤(こぶ)や動脈硬化が生じるようになると、血圧が上昇した際に破裂することがあります。破裂で出血した血液は、くも膜と脳のすき間に瞬く間に広がるようになります。

これが、くも膜下出血です。なお破裂の元となる動脈瘤は、先天的な血管異常や高血圧が原因で生じやすくなると言われています。この動脈瘤は、一度出血してしまうと、短時間のうちに再出血する可能性もあるので、入院による絶対安静が必要となります。

くも膜下出血の症状

何の前触れもなく、突然の激しい頭痛、吐き気、嘔吐が起き、そのまま意識を失うことが多いです。

出血が少ない場合は意識が回復することもあります。出血量が多い場合や、脳内に血液が流れ込んだような場合には、死に至ることや重篤な後遺症が残る可能性もあります。

検査・診断

検査については、CTを用いることが多いです。

ただし、CTで判別がつかない場合は、MRIや腰から注射針を刺して、脳脊髄液を抽出し、血液の混入があるかどうかを調べる腰椎穿刺なども行います。

脳卒中(脳梗塞・脳出血後)のリハビリテーションについて

早期にリハビリテーションを開始すると、機能予後は格段に良くなることが分かっています。リハビリテーションは体の運動機能の回復だけでなく、心理的・社会的な回復も意味しています。一人ひとりの障害・程度に応じたリハビリテーションを行うことで、その人がもともと行っていた日常生活にスムーズに戻れるようにしていくことが重要です。また、リハビリテーションは本人だけでなく、家族や友人などの周りのサポートや理解も重要なポイントとなってきます。

理学療法

作業療法

言語聴覚療法

急性期 : 救急病院等医療機関

発症・治療直後は全身状態が変化しやすく、再度危険な状態になりやすいために生命維持が優先されます。治療後~14日はベッド上でのリハビリテーションが中心に。
ただし、「廃用症候群」※などを防ぐために、無理のない範囲でベッド周辺でのリハビリテーションを開始します。

回復期 : 回復期リハビリテーション病棟

急性期を脱し病態や血圧が安定してきた頃、症状に応じて様々なリハビリテーションが開始されます。基本的には、日常生活を行う上で必要な動作が行えるよう運動機能・嚥下機能・高次脳機能などを改善させるリハビリテーションが中心となります。

生活期・維持期 : 自宅・リハビリテーション設備のある病院やクリニック

一度回復した機能も、退院後何もしないでじっとしていると再び機能低下が進みますので、退院後も外来や介護保険を利用したリハビリテーションを続けることはきわめて重要であると言われています。しかし、回復期では1日最大3時間のリハビリを受けることができましたが、医療・介護保険制度下では1日20−40分程度となってしまいます。

まとめ

脳卒中には様々な症状があります。脳卒中の予防のためにも食事や運動といった生活習慣から見直すことが大切です。回復期では十分なリハビリを受けることができますが、回復期病院を退院した後は、リハビリの時間が非常に短くなってしまうのが現状です。その問題を解決できるのが自費によるリハビリとなります。

コメント